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霊峰白山記①-登る書家-

わたくしが霊峰白山に登山したのは、2012年のこと。

新築された山小屋、室堂「雷鳥荘」に作品の設置に登山することとなる。

「是非、設置しに現場へ」!

・・・という言葉に一瞬の躊躇もなく「ハイィ!」とお返事を返したのでございます。

 
ご依頼を受けたのは冬。

14冊の関係書物を読み、作品製作へと至ったものの当然、現場に行きたいのは自分の意志でもある♪ 

 
ところが・・・ですよ。

 
登山してまもなく、「どれだけ経ちましたか?」と・・・

わたくし。

・・・こんなに必死に汗だくで、前の人の靴見て、ぜ〜ぜ〜、っで、

 
 
たった、じゅ〜ご〜ふぅん?!

 
〜なぜだ、なぜだ、なぜだ、なぜだ、なぜだ、なぜっなんだ〜(心の声)〜

 
景色を楽しむこともなく、途中の甚之助避難小屋でまだ半分くらいと聞き、諦めと共に覚悟(笑)
 
 
思えば・・・

わたくしは、スポーツマンではありませんし、登れば降りるという必然があるところを好んで登る人たちの心理は理解できず。

美しいもの、自然は好きですが、登山の趣味って不思議くらいに思っていました。


 
御前峰 標高2702M
室堂  標高2450M

一番近い登山道 「砂防新道」登り口の別当出合から室堂まで6キロ。

平地では1時間の道です。

健脚で4時間ほど・・・(わたくしは倍くらいですけどね・笑)

シューズとリュックは、前年に「それだけあれば大丈夫」と、元登山部の友人から誘いを受け、そしてドタキャンされた立山登山からのもの、実はこの道に続いていたのか!

などと頭をかすめながら、

ゼーゼーと切らす息遣いに「あとどれくらいですか?」と聞く声も失い。

ただただ「右、左、右、左・・・」念仏のように頭の中で大腿筋に号令をかけ・・・

いつしかそれすら、失う。

 
ゼーゼー。

やがて室堂に到着し大自然を超えたその全てに包まれた瞬間、そのずっと前から包まれていたことにようやく気付き、体力、気力、その辛さの全てを忘れ、真空のような「空間」にいたのです。

 
その絶景は、人がこの領域に入って良いのか?という空気感と共に雄大でございました。

 
「おじゃまします♪」

続く〜

◾︎霊峰白山記② こちら→-眠れない書家-
◾︎霊峰白山記③ こちら→-無理を知らない書家-
◾︎霊峰白山記④ こちら→-書を通して-

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