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4.302023
沖縄 龍宮神2
沖縄は今、再開発が進んでいるらしい。
海の中に建つ高級リゾートヴィラなども新しく計画されていて、個人的には少し残念に思う。
正直、ビーチリゾートは世界各国あらゆるところにあり、一度その空間に身を置けばモルディブ?ハワイ?ニューカレドニア?食べ物こそ違いはあれ、どこにいるのかよくわからなくなるというのがビーチリゾートマジック。
同じような条件が揃う沖縄だけど、沖縄の本当の魅力はそこではないように思っている。
前回、「ニライカナイ」をご紹介したと思うが、その海の中にヴィラを建築するのである。
※ニライカナイ:沖縄では海の彼方、奥底には、ニライカナイという神が住む異世界があると伝えられている。
また沖縄のサンゴには別の側面がある。
「この沖縄のサンゴは血を吸っている」。
これは、戦争の惨さを語り部として伝えている「元ひめゆり学徒隊」の方が、海辺のサンゴに座り放った言葉。
そう、ビーチで笑う足元のその砂も石も、美しい珊瑚も、血で染められていた時代があったのだ。
これは、事実なのである。
1945年3月末 戦火に襲われた沖縄。
アジア太平洋戦争で最大規模の戦闘となった。
3ヶ月の後、沖縄は文化遺産のほとんどと、20数万の命を失った。
中でも一般住民の死者が10数万と、軍人の死者をはるかに超えていた。
自然を敬い、先祖や神を尊び共に暮らす人々へのなんとも惨たらしい悲劇に、胸が詰まった。
ひめゆり学徒隊の方は、まさに笑い喜び恋をする思春期に、戦争という体験をしていた。
終戦後、「思い出したくもない」ことを「未来の平和につなげてほしい」との思いで、ひめゆり平和祈念資料館にて事実を語る語り部として活動されてきたという。
もし自分が「トラウマ」というべきものがあるのならば、それを人前に出て語ることができるのだろうか?
この行為こそ平和への強い願いからの勇気なのだと、強い感謝と祈りが止まらなかった。
沖縄に訪れることがある人々の全てに必ず行ってほしい、ひめゆり平和祈念資料館。
もう一つ忘れられない言葉がある。
「やはり戦争はいけません。そして戦争をしないためには、みんなが人に優しくすることです」。
思い出したくないほど、語りたくないほどの経験をし、両親を失い、家を失い、友を失う、そんな辛い思いをしてまだ「人に優しくしましょう」といえる、この真の優しさ。。。
自然や見えない存在と共に生きてきたDNAなのか?沖縄の真髄に触れた気がしたのです。
最後にひめゆりとは別にある、沖縄平和祈念資料館の設立理念の言葉をご紹介したい。
”「沖縄の心」とは、人間の尊厳を何よりも重くみて、戦争につながる一切の行為を否定し、平和を求め、人間性の発露である文化をこよなく愛する心であります。”
再開発が進んでも美しさと心を、失われずにいてほしいと祈るばかりです。
なぜならこの沖縄には、わたしたち日本人が忘れようとしている、何かがまだ残っている、そう強く感じるから。
龍宮神よりニライカナイへ、沖縄戦で戦った全ての人々に祈りを捧げた。
合掌